写真俳句もどき

すっくと立つ古木の花のみごとさよ

この木の名前は知らない 桜のようだが幹が違う 葉と一緒に咲く白い花 実は何年も地べたに寝そべっていたのだった 家主さんが ある日息をはずませて土を掘り 支えをした 「咲いてくれるかなぁ・・・」 翌年少し咲いた そして今年 満開である 支えもはずされた…

「月の明るい晩ばかりじゃないぞ」

佐多稲子心の中を風が吹く ゑぽむ まだかしら人の気持ちもしらないで ゑぽむ 佐多稲子さんの本を読んだ一冊目は「心の中を風が吹く」だった 実は内容を記憶していない ただ題名に惹かれ読んだ それも十代のことだったから理解は不可能だったろう 再読せねば …

異国の椅子

異国にて物思ふるは椅子か吾か ゑぽむ これはスペインの椅子 クラブの1 ハートなら座り易かろう スペードはちょっと強い感じがする ダイアは四角だからありがち とはいえ これしか無かったのだ 作業をするのに丁度よい さっさと立ち動けるし持ち運びが楽 こ…

北鎌倉こもごも

書を閉じて見入る葉色よ気の清ら ゑぽむ 久しぶりに円覚寺にいった ほうじ茶を頂きながら読書 2時間も静かに過ごし ふと目をやれば 20年近く関東に住まいしながら初めて見る美しい紅葉 適度な湿気と朝晩の寒暖の差によって こんなにもきれい 鎌倉市この洞…

福島潟へ

白鳥を撮る姉様の雲雀色 ゑぽむ 瓢湖から田んぼの落穂を食べに降りたった白鳥たち 水面に浮かぶ姿とは違う 優雅さは半分になってよちよち可愛い 灰色の子白鳥に引率の母鳥は威風堂々 俳句もどきの「雲雀色」は姉様のダウンの紫色 いわずもがなかな。 何もせ…

新潟へ

朱鷺とゆくいざいざ待ちし霜月よ ゑぽむ これに乗りたかった 二階席がよろしい 景色に見とれつつ トンネルが多いは当然にて奥羽山脈を潜り抜ける旅 飽きちゃった幼なの声のほほえまし ゑぽむ 降り立ちて寒くないかと訊き訊かれ ゑぽむ 燕三条駅で良寛さまに…

あぢさい葉くるりくるりと翻り

ひとすじの蔦につられし人葉好き ゑぽむ あぢさいの葉が佳き色になっていた 人は木の葉のようだといつも思う 木の芽時はヘンテコな気分になって 笑ってしまうが やがては繁茂し青嵐となり滴る 秋はとりどりに装い わが身を見ようと人は出かけて鏡をみる 冬は…

読書ノートからあれこれ年末

読書ノートがある この頃は書き抜いたりしないで読み捨てみたいな為し方だ むろんブログに書くから必要を感じないのだが 数年前のノートをパラパラっとめくってみたら 堀江敏幸著「送り火」の書き抜き わたしはまるで、念のために生きてきたみたいなものだ …

器はなんでも

友達から高級な栗大福をいただいた どの皿にしようかと あれこれあれこれ・・・ 白いジノリに白い大福 これがぴったり! 大福が洋皿に乗り納得げ ゑぽむ そりゃおかしい? いいえ これがいい どうせ食べちゃうのだもの 残るは白い皿 何事もなかったようにツ…

私はペリーのお迎えに?!

よんどころのない事情にて三浦海岸まで出向くこととなった おそらく間違うに決まっているので早めに家を出た ちゃんと乗り変えた筈なのに・・・ 「次は終点 浦賀です 浦賀です」 なんとや! 私は浦賀に用はない 行き先は三浦海岸なのである 途方に暮れる昼日…

小春日和

天気予報は曇りのち晴れであったが「晴れ」だった おっとっと小春日和に俯いて ゑぽむ 春のスミレが咲いている! おっとっと紅葉している どうしましょ 咲いちゃったのだもの誇りましょう。 仲のよくない縁なき二匹 最近寄り添いケンカなしとなった テーブル…

にわたずみ(潦)

にわたずみ肌粟立つを静観す ゑぽむ 「にわたずみ」とは 雨が降って水たまりができやがて流れだす その場所と情景を指して言います。 (潦)という漢字になります。 この語彙を知ったのは30代でした 深い意味を感じましたが 使うことはできませんで 長いこ…

迷子

京浜急行金沢八景駅 車窓から 暮らしの営みが見える手入れされた庭 さぞや昔は山の中でひっそり静かであったろう あるとき私鉄が線路をひいて ひっきりなしの騒音に耐えて久しいのだろう 手前の道を人々が群をなして歩く違和感 すみませんそごうは何処と訊か…

今日はハロウィン

アメリカのお祭りだとばかり思っていたが 実はイギリス、スコットランド ケルト人が起源であるという 秋の収穫を祝い 子供たちが各家をお菓子をもらいに訪問する くれない家には悪戯の仕返しをしてもいいのだそうだ 沈黙を見守る花は親なりき ゑぽむ 鎌倉五…

ピピさんや鳥のようなる名であった

ピピさんが蟻喰いをする猫なのに ゑぽむ 噛まれ憐れ 夏はベランダに転がっているセミを食べていた 羽根が4枚残ってた蟻は蟻酸で不味かったらしい 自力で出てきた蟻あはれどうせなら悪夢を喰うバクになっちゃくれないかい ピピよ猫の手を借りたいほどの此の…

 なみだの操 殿さまキングス

あなたのけしてお邪魔はしないから ゑぽむ 文字入れしたこれを見て 夫が吹きだした 我が家はいま笑っている場合ではないのである しかしながら 私はこんな写真を撮って俳句もどき&歌詞拝借までする どうかしているわいと思いつつこうしてアップせずにはいら…

大岡裁きを見る

テレビっ子の夫は(テレビ)をつけたまま本が読めるという奇特な人だ私はまったく無理である 隣の部屋でドアは開けてあるがPC三昧すると 懐かしいメロディが聴こえてきた襖四枚 大きな青に白の鞘形(さやがた)の模様ジャンジャジャジャジャーンルール― ル…

柿色琥珀色

故郷仙台の晩秋の風景にあるのは柿の実であるほかの果実はなかった 稲刈りが始まる頃の寒さ イナゴは枯れ色だった福島ではごく普通の家の庭に立派な林檎が生っており酒田では砂丘メロンが夏の日差しの下に丸々と実りしていたここでは橙という柑橘類が当然の…

十月 甘露

早く書きたいと想いつつ暦が過ぎてしまったが 十月八日頃を甘露というノートを処分してしまったのでいつ頃詠んだものか定かでないおそらく二十歳くらいかと・・・ 紅絹ちらす甘露のしずくふりわけて京友禅の色のあざやか ゑぽむ 紅絹とは「もみ」と読む 紅葉…

雨の日の巡り会い

珍しい事もあるもので 横浜での仕事が早く終わったから待ち合わせようと 夫から電話があった 「チッ」っと舌打ちしいしい 雨靴履いて出かけて行った 良い事があったか? あった! いつも同じ道を歩かねば気の済まぬ私の不機嫌をものともせずに歩く夫 そうし…

言ってはいけないことだらけ

「腹ふくるる思い」「言うに言われぬ思い」というのがある 西洋の昔話には言いたいことを穴を掘って大声で叫び埋め戻したら 芽が出て木になって・・・どうしたのだったか忘れたが そんなこんなは古今東西に満ち溢れているのだろう ここにさらけ出してしまい…

JR湘南新宿ライン

東京には何度も行きましたが 湘南新宿ラインに乗ったのは初めてです あっという間に 新宿に着きました 改札を出て目的地に行くまでの遠いこと 駅ビルの屋根の下を 25分も歩いて やっと外 やっと空が見えました 夫と一緒でなかったら家に戻ることすら出来ず…

JR横浜関内駅

わ・かんない駅に降り立ち何語かな ゑ 今昔も語り尽せぬ事情あらむ ゑ 千日紅千日経って白髪婆 ゑ 掛け布団夜空であるか御留守宅 ゑ 夫と待ち合わせた関内駅前で 何がともなく撮った 一人ひとりが背負った運命という袋 中には何が入っているのか 本人でさえ…

獺祭(だっさい)

きくしゃんからいただいたお土産 なんと深い意味のあるお酒であった 「獺」犭偏に頼むと書いて「かわうそ」 かわうそは捕った魚を並べておく習性があるそうで それはまあ 文章を作るのに多数の書物を周囲に置いて参照し 自ら「獺祭魚」と号した 正岡子規か?…

ラブちゃんのハート

きくしゃんはラブちゃんとハーちゃんが一緒だった 頬っぺとかかとが同じ柔らかさという奇跡の一瞬 笑いかけると天使の頬笑みでかえしてくれた さすが おのこずっしり重く握りこぶしの力こぶ 食欲いっぱいの 透明なる清潔なよだれタレタレ気持ち良し きくしゃ…

トンビがくるりと輪をかいたよぉな〜ほい

来ぬバスよわたしや油揚なりとうない ゑぽむ シルバーホームの屋上は草が繁茂している そこに餌食となる小動物がいるの? 霞か雲か〜? 鳶は仙人 いや食べ歩きの観光客の美味しいおやつをねらっているのだ なにも持っていないが この身がさらわれたら大損だ…

もうすぐお彼岸

お彼岸てなんのことかなぁと今さらに考えた 「暑さ寒さも彼岸まで」 これは気候に耐えたことのみならず 心の重さも「もういいんだよ」と そういうことであるらしい ありがたいことだ 私は父母のお墓参りをずいぶん長いことしていない 故郷の地が私を呼ばない…

雨降って地かたまって大祭り

昨日のマンションのお祭りは大成功だった!と感じる 皆さんが声をかけて下さり アクセサリーを手に取ってあれもこれもと! 「いくらですか?」とお訊きになるので 「はい、お気持ちです 五円でも五万円でもよろしゅうございます」と ユニセフの募金箱に笑い…

あぁ真昼静かに秋のただよいて

草を摘む人不在にて過去の音 ゑぽむ 果て果てて命を繋ぐ季なりけり ゑぽむ 二日間 怒りの中にいた なんという疲労感であろうか 激昂するということの無駄なエネルギー 最大の武器は無視であるかもしれない 私は私の世界で生きるのだ 命がいくつあっても足り…

September song

弔問の蝶紋しずと巡りゆき ゑぽむ ホームのベンチの下の夏の虫の亡きがら 集まったのは灯りのせい? よたよたと後追いしそうに蝶が弔問しているようだ あはれなり これがまあ花束という売り物で ゑぽむ これにリボンをつけてラッピングして700円なのです…