カズオイシグロ

思ってもみなかったと言ったら失礼だろうか・・・ノーベル文学賞 カズオイシグロ の知らせに驚き喜びしみじみとした気分になった彼は純粋日本人だけれど父上の仕事の都合で渡英そして帰化素晴らしい作家となった緻密で繊細な文章豊かな内容にひきつけられて…

テレビも人もおもしろい

夫がテレビをつけて 小さい音でこまごま返答してる突っ立って見ながら笑ってしまったおかげで大好きなお相撲をみのがして それでも残念でもなく可笑しかった大阪弁のアクセントって真実味がある馬鹿ではない阿保の真骨頂のようなものああ 近頃本を読まなんだ…

哀歌上・下

絶え間なく本を欲する者であるきちんと椅子に掛けて正しい姿勢で読むここに私はたびたび本を読んだことを記録するすると誰彼が「おや!」と手に取って下さるようである一人占めしたくなるような本もあり・・・黙っていることもあり恋しい男は誰なのか人に知…

読書の秋

一年中読書の季節ではあるけれど十月は格別の時だこのところ 賞をとった本ばかりえらんで読んでいた受賞作品というのは作家の渾身の作であるから当然こちらは一気読みとなり疲れるほどの読後感珍しくスリラーサスペンスものにはまった作者は道尾秀介 なかで…

関東も梅雨入り

今朝は起きた時よりも雲が厚くなって暗い雨が降るとは予報に無いが 降ってもおかしくない空模様こんな日はアジサイが美しく映える明月院に出かけて行かなくてもご近所さんのお庭の花が季節を謳歌しているアジサイは弱々しいなりだけれど なんとも強いことは…

小杉健治著

長い期間本をアップしないでいたが読んではいたこのところじっととらわれの身であったのが「小杉健治」「冤罪」 「正義を測れ」 「贖罪」 など・・・プロフィールの写真は穏やかで優しい面差し 1947年生まれひとしきり読み これが最後と手に取ったのが「…

夏樹静子さん逝く

作家の夏樹静子さんが亡くなられたと報道で知った彼女の本で一番印象的なのは「白愁の時」アルツハイマーについて世の人々が耳にし始めた頃だった自分が日々刻々と失われていく恐怖 諦観最後はいつも縛られていたと思しき腕時計を空に向かってほおり投げる単…

原節子さんの思い出

初めて読んだ小説は 石井桃子さんの「ノンちゃん雲に乗る」だった 小学校の低学年の頃 叔父さんにもらった古びた本 それはそれは私の心を惹きつけ夢中にさせた 幾度繰り返して読んだかしれない それはもう暗記してしまうほどだったな今朝 女優の原節子さんの…

作家の年齢

一冊読んですっかり魅了されて同じ作家の小説を読み続けることがある ハズレなしで面白いし その人の知識の深さやうまさに そして物語に感動することがしばしばある そういう時はたいていの場合自分よりずっと年長者である ところがこのたび知ったある作家!…

マイブーム本

柚木裕子さんの本は今私をとらまえて放さない 画像は4冊だが他の本も書きおろしを待ちわびては読んでいる 紹介した検事ものは特に秀逸 賞をとっている こう言ってはなんだが男にゃ書けない緻密さが 私を魅了してやまない 昨日の曽野さんに引き続き推薦図書E…

本は師であり友である

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 26歳の時に朝日新聞に連載されていた曽野綾子さんの「神の汚れた手」 私は次男をみごもっていたのだった 今思えば到底そんな時期に読むべき内容ではなかった しかし毎朝玄関で座り込んで読みふけった 曽野綾子さんと…

阿川さん

阿川父上様が亡くなった フルネーム書かないのは一冊も読んだことがないからだ 佐和子さんがどちらかと言えば身近な気がする 昔からテレビの司会などで愛くるしく気さくで さて 佐和子さんもフルネームでないのは 読んだことがないからというお粗末 父上は老…

本を読まない日々

活字中毒のような私が今本が読めない 新しい本が特にいけないので 古い本棚から背表紙を読まずに引き抜いて 中ほどから文字を追う どこからでも読める特技があったっけと思い出す その代りゆっくりのんびりだ・・・ 作家は誰だっけ と 表紙を見る あぁ やは…

たまには本

堀江敏幸著 なずな 伊藤整文学賞受賞作 私は伊藤整にクラっとくる 読み終えるのに4週間もかかってしまった それでも物語の中に尚とどまっていたいと思う作品だ いまさら育児小説でもないのだが やはり幼子の匂いや手触りを思い出してジーンとしたり 熱が出…

約束された世界

石川達三の本に確か「約束された世界」があった調べもせず 定かでない記憶であるが・・・バス、電車、タクシーなら 人は何の不安もなく乗り込む飛行機や船なら多少の不安やリスクは覚悟するものだ 私は さて今回の飛行機墜落報道を聞くだに恐ろしいばかりだ…

懐かしい児玉清さん

とても好きだった 児玉清さんも番組の「週刊ブックレビュー」も 三人のゲストが三冊の本を読み それぞれの意見と感想を発表するという 本の虫にはこたえられない内容のこい50分番組だった 残念ながら児玉清さん77歳でのご逝去により どのように惜しんで…

三月になった

今日は二日 明日が誕生日のwanさんにプレゼントをしよう 梨木果歩著 「僕は、そして僕たちはどう生きるか」 いつものようにすじを言うことはできない ただただ孤独な少年少女たちが偶然出会う癒しと言うもの わたしはめったに「癒し」という語彙を使わない …

赤坂真理著「東京プリズン」

かねてから読みたいとチラチラと背表紙を見ていた本 赤坂真理著「東京プリズン」 天皇の戦争責任 著者は1964年生まれ 人間の知覚の限界に迫る、とプロフィールにあるとおり 時空を超えた母と祖母との会話を通しての高校生真理の苦悩と 青春そして中年に…

本から学ぶ

待合室でもう廃刊になってしまった「銀花」をみつけた この本は私が高校生の時に創刊されて つい5年ほど前まで季刊誌として出版されており 実に楽しみで待ち遠しい本だったのだ その中に紹介されていた高橋治著「星の衣」 読んでみてくださいというしかない…

未だ・・・

鎌倉の裏路地の石垣に氷がはっている石垣と氷の隙間をたらたらと水が流れている私は立ち止まりしばし見つめる見惚れるある時 私と同じことをしている人がいた嬉しくなって「そこ きれいですよね」と話しかけた彼女は笑顔を向けて「そうなんです 不思議で好き…

向かい風

珍しく暴風雨だった しかも氷雨である そういう時はタクシーを利用するべき 私って何故だか逆らう 傘を盾に踏ん張って歩くだらだら坂 雨は浅い川のように流れてきて 場所によってはやや深い こんな時のために用意していた完全防水をうたった靴は 嘘ばっかり…

久しぶりにお直し&読書

依頼されていた直しを仕上げた 黒のフレンチジェットのネックレス 黒の葉のイアリング 薔薇のオーストラリアのヴィンテージ そして田山さんの虎目のブレスレット 2玉ほどゆるかったのでストラップにした 喜んで下さるといいな そして石持浅海という初めての…

宮尾登美子さん

宮尾登美子さんが亡くなっておられたことを知ってショックでした 初めて出会ったのは朝日新聞連載の「きのね」 歌舞伎界のことが描かれていて 女の心模様が 刃物のような煌りとおののきで毎朝 実は怖くてたまらなかったのです しかし惹かれました そして宮尾…

異才面談

佐高信・「異才面談」七ツ森書館を読みつつあった するとなんとhateheiさんの記事と同じ事項が 対談形式で分かりやすく、身に迫って書かれていた 神田香織さんという1954年福島県いわき市生まれの講談師として 新境地を切り拓いている方だ 佐高「福島県…

ぼくたちのチェルノブイリ

この本を復刊せざるを得なかった作家・中澤晶子さんの苦悩を想います 復刊にあたってーこうなるまで、私たちは何をしていたのでしょう 三月十一日あの事故以後「ある晴れた空」を読んだ横浜の中学生から こんな感想が寄せられました。 「チェルノブイリの事…

井上ひさしさんは難解で面白い

ほぼ毎日家事を8時半に終える もたもたしていると 冷蔵庫の下の埃や集めに集めた手芸素材が煩い とっとと家を出て100円コーヒーを飲みながら読書 一時間半は読める 井上ひさしさんはうっかりしてると人中でぷっと吹き出して笑ってしまう とっさに文庫で…

読書の楽しみ邂逅

佐高信さんの「魯迅」を読み返しながら 不思議なこともあるものだと感じ入った 十代後半から二十代前半に岡部伊都子さんの本をしきりに読んでいた いまにも召されてしまいそうなか弱い方の文章が美しいと感じた 1923年生まれであったというから私より3…

この頃の読書

柚月裕子さんの「臨床心理・上下」を2年ほど前に読んで もっとこの作家の本を読みたかった 素晴らしい筆致で頭脳明晰で あっという間の3冊であった 秋霜烈日のバッチの意味を想いつつ 人の心の澱をかき混ぜ浮き上がらせるという仕事の憂さを どのように漉…

紅白とは意味のないことだった

また本から 米澤穂信著{さよなら妖精」より 「昔中国の輸入品が赤と白の紐で縛られていたから 中国にとってそれは意味のあることではなかったけれど 受け取った日本は意味があると考えて贈り物は赤と白の紐で 縛るものと思いこんでしまったそうよ それがず…

読書ノートからあれこれ年末

読書ノートがある この頃は書き抜いたりしないで読み捨てみたいな為し方だ むろんブログに書くから必要を感じないのだが 数年前のノートをパラパラっとめくってみたら 堀江敏幸著「送り火」の書き抜き わたしはまるで、念のために生きてきたみたいなものだ …