鎌倉 おんめ様にて


        

       居会わせて時を過ごして殻一つ  ゑぽむ


立派な羽化をしたものだなあと感心して見た
その場に居会わせたかったと切に思い 想像し彼の鳴く声を聴いた
セミ時雨の中の一つ きっと大きな種をのこしたにちがいない




        

       蓮ひらと猛暑に立ちてたじろがず  ゑぽむ


私の身丈より高くあり大きく美しい蓮の葉に出会った
彼女のようにありたいと願った 憧れた




       

    浮かび居り転び居るもの転生きるの   ゑぽむ



静かに役目を果たし寺の水にたどりついた蝉
蝉は禅と云う字とつくりが同じだ 








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