よし子義姉さんの創作料理


     

私13歳の時に兄(27歳)と23歳で結婚 うちに嫁いできたお義姉さん 


届いた美味しいものいろいろの中の一つ
「新鮮なイカを茹でて酒粕、みりん、塩少々を混ぜて漬ける
 足にもたっぷり粕をつけて身の中に入れて2.3日でよし」
冬はお酒の肴にぴったりと云う


「お義姉さん これってそっちの料理だったっけ?」と訊くと
いいえいいえ これは私の創作ですと
料理の上手いお義姉さん レパートリーが広い


お義姉さんが嫁いできた頃 亡母は55歳だった
何か注意したり叱咤したいときには
それが私に向ってなされた
「あなたに言うことによってお姉さんに分かってもらうんだからね」
陰でこう言い訳されたけど 黙った私は得心いかなかった 
切符一枚自分で買うことも出来ないボンヤリだったのに
早くこの町を家を出たいと念じた 
どんな表現方法も見つからず口答えも疑問符もつけられず
ただただ怯えていたっけな
母を呪ったり義姉を恨んだり・・・


お義姉さんが言った
「EPOMちゃん み〜んな昔のことだよ 忘れよう」って
「おばあちゃんにはいっぱい教わったよ」とも


お花から帰って来て活け直すとお義姉さんが直してくれたっけ
ちょっと癪だったけれどね 格段に素敵になったんだ


このイカ 夫が大いに喜びお酒がすすんだ
旨いねぇ 酒粕も美味しいな


そうそう 忘れよう
美味しいものを頂こう


    よし子姉さん