言いようもなき虚無という怪物が


        

      高嶺にはあらざる花に誘われて   ゑぽむ


線路に添って咲く白く可憐な花を摘みたかった
「侵入禁止」は知っている
それでも かがみこむ自分をそこに見出す


何事も思うようにはならぬ
ほしいモノは手に入らぬ


それらが思う存分にできるのは「権力」を持った者だけだろう
彼の演説はいつも同じに聴こえる
「わたくしは日本国の総理大臣として云々」
同様のフレーズだけが際立つのみで内容が伝わってこないのだ


礼讃者が誰かをみはなす時
読者が作家を忘れる時
国が民を物とみなす時


不安は不穏となり姿を現す








                 ・