次郎からの手紙

時おりテーブルに置かれる次郎からの手紙
何故こんなにこまやかなのかと思う
よく生きていたと痛々しくなってしまう



昨日の手紙
「ミネラルウォーターなどの買い置きはあるのですか
 猫の水は汚染された水道水ではなく良いものを上げてほしいです
 僕は水道水で十分ですから」



返事に窮したが こう書いた

「水の事を指摘してくれてありがとう 心配してくれているのですね
 うちの浄水器は医療用のものです 母がとても水のことが気になった時
 高額だったけれど購入 カートリッジも定期的に交換しています
 猫達も人も同じ水を飲みます 仕方がないことです
 僕は水道水でいいなんて言わないでください
 太郎、次郎 母の命です 
 いつか次郎(いつまでも部屋にいるつもりはない)と書いていたけれど
 母は次郎を外に出したくはない・・・
 矛盾する心に右往左往しつつ居ます
 でもこの頃は母の頭が晴れてきて少しは美味しい物をつくれるようになったでしょう」


彼がもとめた返事になっていないことは承知だけれど
こうでも書くしかない
あの郡山の善宝池の白鳥も鴨も汚染された山の麓の池にいる
郡山0.59ミリシーベルト 放射線

これを伝えれば次郎を責めることにもなるのだ