二月二十九日の命日

今週のお題「うるう年――2008年 2016年」



四年前の二月二十九日
親友の夫君が亡くなった 59歳の若さだった
二ケ月前に仮退院し母上の葬儀を済ませ再入院し父君とは逆縁となって
逝ってしまわれた 実に優しい方だった


社宅でドア向かいになった私たち一家
12時前には帰らない企業戦士たち
階段を上る足音がするとドアスコープからのぞいた
隣のご主人の後ろ姿が見える
ポケットから鍵を出しドアを開けて「ただいま」
いくらか遅れて夫も帰ってくる
ドアの鍵は持たない人だから時分を待って開けておく
毎日がこうだった


うるう年二月二十九日に亡くなったのなら
一周忌は四年後かしらねと彼女と話したのだったが
やはり日をかえて一周忌をし三回忌もすませたようだ


「高さんと二人で暮らすはずだったのにおじいちゃんと二人で
 暮らすことになっちゃった」と彼女は言う
仙台に暮らしているから大地震の時もおじいちゃんを守った
どんなに怖かったことだろう・・・・・
そして孤独であったろうこの四年間を想う


昨日 嬉しいメールが届いた
次郎と同級生の彼女の長女に男の子が生まれたのだ
二月二十二日誕生 
「お父さんの命日の前に産まれてくれて良かった」と

      


赤ちゃん 可愛い 私は泣きそうになった
良かったね〜 がんばったね〜
若い夫婦は二人で一生懸命育てていってくれるだろう
きっと大丈夫 私たちの子供だもの
彼女の娘さんが産んだ赤ちゃんに幸あれと祈る