雪は降る 太郎は帰る

雪と人身事故で遅れ遅れの電車で気をもみながら しかし
クリニックで診察を受け 薬局で薬を受け取り
大急ぎで待ち合わせ駅に走った 太郎が来た
お茶も食事もしようとはしない
次郎と話が出来ないなら来た意味がないから帰ると言う
コバには会わなくていいの? お父さんには?
私は少しだけパニック 涙が出そうになる
しかし以前の太郎とは違った
駅構内で30分ほど立ち話 実に濃い内容
胸に刻んで改札に入っていく太郎を見送る
太郎ふり返り手を振る



この歌は 太郎が14年も帰って来ない間の私の歌だった
そして次郎は山崎まさよしに似ている
恋しい息子達 「桜木町で」 こんなとこに来るはずがないのに
次郎は生きて帰って来た 「命はくり返す」