義父に願う

ずっと寝間着で居るという義父に頼んだ「おじいちゃんちゃんと服に着替えてきちんとしていましょうね」と二度言って姉達とお墓参りに行った それぞれの思いがあっての合掌 彼岸花は木で作られた色とりどりの風車のよう 帰りは買い物をしてラーメンを食べて話し込む 果たしてじいちゃんは着替えているかどうか、おばあちゃんは幸せな人生だったのか、年金について、今後の我々について、どんぶりが下げられてからも話は尽きなかったがそろそろと帰る なんと!義父が着替えていた 義兄はビックリ 嫁様の言葉は強いわいと言う 「おじいちゃん着替えたのね いいわねぇ」と私 「じいちゃんカッコいいよ」と夫 手が痛いから大変な事なのだが身支度きちんとしていてほしい 八十八歳の父に願う一つの約束事のようなもの 頑く厳しい事 おじいちゃん