「  胃が痛い  」

学校というところは教育の一つとしてなのだろうが
文集を学期ごとに作っては何かを子供たちに書かせる
その中に印象深いものがあったので記しておきたい
次男が中学一年から二年に上がる時だったと思う
持ち帰ってポイと放ってあるのを拾ってきてページをめくり始めた
A4を6分割して全員が思い出や希望、絵を描いている子もいた
それぞれにひねり出して書いているなあとめくってゆくと
中央に一行だけの子がいる そこにはこうあった



        「  胃が痛い  」



興味津津で次男に訊ねた この子はどんな子?
「あ・不良」
いやいやそうではなかろうと私は感じた
本当のことを書いたのだ 他の子とは違う
今はどうしているだろう 
相変わらず胃のあたりをさすりつつ居るのだろうか「あぁ胃が痛い」と


実は私も「胃が痛い」バカ真面目な私が胃が痛い
いろんなことが次々起きて慢性胃炎の胃袋がこの身から離れて
ポアン ポア〜ンとどこかに浮かんでいたらしい
一段落してもとの位置に戻ってきた胃
その胃が痛い 「胃が痛い」
征露角をのんでもキャベ人をのんでも効かぬ
まあ そのうち治まるだろう


そうそう文集に吾子が何を書いていたのか憶えていない
連続転校生としては当たり障りのない事をさらりとだったのだろうな




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