金婚式を過ぎて


電車での行き帰り かくも似てくるものかと観察しきり
金婚式は過ぎていると思しき夫婦の双子具合


      


      


足元 手元 そして元他人であるはずの容貌と雰囲気の似かよい
これは夫婦以外の何ものでもない
二人は ポツリ ポツリ 。。。 話している
顔を見合わせるでもない ツーカーの仲なのだ


自分を振り返りまだまだ及びもつかない先輩にただただみとれるばかり
やがてこのような日がやってくるのだろうか
日々を無為に過ごすだけでは無理なのだろうか
いやいや自然にこのようになっていけるのかしら


二組の御夫婦にも山谷があったはず 愛憎があったはず 葛藤も・・・
いまこのようにひととき落ち着いて何処まで乗って行かれるのだろうか
私は途中駅で降り 様々を思った

亡父母 亡義父母 姉夫婦 兄夫婦 そして私達夫婦を




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