旅愁

夢は枯れ野をかけめぐる、ということでもないが、日常から離れたい思い止まず、夫に申し出ると賛成してくれ車中の私となった。どっと眠気がきて景色も読書もなく、ある街に降り立った。思い出にやや苦味のある地であるが歩いた歩いた。ワガママを許してくれた夫に感謝しつつ彷徨。「旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる」まさにこれだろうか。なにを弱い事を言う?まぁ、こういう事もある。人生は旅そのものだ。思うに任せぬ事、思いもよらぬことがある。なにもかもよし。自責の念にかられることもなく、ひたすら淡々と受け入れていこう。旅は続く。線路も道なき道も、ただ進むのみ。