井上ひさし展


        

             井上ひさしさんへ献花



        


   井上ひさしさんの葬儀にながされた映像があり 最初に見た

   「人間には悩み苦しみ切なさ痛み不安が最初から備わっています
    唯一無いのが(笑い)です 自然にはないものだから
    私たちは下品ではないほんとうの(笑い)を作り演ずる仕事をし
    それらを残していく義務があると思うのです」


メモをしたわけではないのでおおよその記憶ですがこのような趣旨の
お話でした 赤ん坊の微笑みは(笑い)とは違うものとも・・・。


今までいろんな展示を見る機会がありましたが
今回ほど静かで中身が濃く 人々がじっと展示物の前に佇むのも
しかも手帳に書き込む老若男女がいることも初めての雰囲気でした。
私もいつも携帯のノートに書き込みつつ見てまわりました。


「本とわたし」より

   わたしたちはこれまで書かれた書物をできるかぎり読破し
   ・・・・・・・
   書物を読むことで過去は現在のうちによみがえる


組曲・虐殺」から 小林多喜二の台詞

    絶望するにはいい人が多すぎる
    希望を持つには悪いやつらが多すぎる
    何か網のようなものを担いで
    絶望から希望へ橋渡しする人が
    いないものだろうか・・・いや
    いないことはない



1949年  仙台の施設の息子に宛てたひさしさんの母上の葉書
最後に「元気でネ 素直にネ」の文字にこみあげるものがあった。



何十冊もの本を一時に読んだような疲れを感じ ベンチで休んだ
知らなかった多くの事実を知ることとなり
井上ひさしさんという一人の作家は 父上母上の影響濃くありの感
そして当然 彼の才能と努力の賜だったと深く感じて心に沁みた。


外に出ると夏の日射しのなかに色とりどりの薔薇が咲いていた


        

            丹頂という薔薇




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