熱中症と周囲の見守り

救急車の音がして近くだと耳をそばだてていると
なんとマンションの敷地内に入ってきた
うちの階段の隣に横付けされてストレッチャーが出された
道路側には消防車もきている
この頃は車両が一緒にくるので救急か火事か?っとあわてる

さて 夫は着替えて駆け付けた 午後7時くらい
管理人さんも出ていらした
どうやら一人暮らしの男性だった
娘さんらしい方が電話しても出ないので訪ねて鍵は開けたがロックされている
それで救急に連絡したらい


ロック錠を切断して中に入ると
男性は仰向けになっていて意識はあったが動けない

廊下には段ボールがいくつもあってストレッチャーに乗せられない
やっと外に運び救急車内で受け入れ病院を探している声がする
なかなかみつからないが
夫が帰って来ると同時くらいに発車してピポピポが鳴って安心
熱中症らしかった
奥さんがいたら「あなた冷たいモノどう?」とか「お茶にしましょ」と
声掛けがあってそういうことにはならずに済んだかもしれない
男の方一人 横になっていたのかな


私は不気味だった コの字型に建っているマンションのたくさんの窓から
覗く顔々 見ているだけ 
管理組合の人も来なかったという
同じ階段の方も出て来なかったという


夫は自治会の係だから責任を感じたのだ それが普通だ
思いやりも何もない集合住宅


数年前の夜中 夫が43度もの高熱を出し救急車を頼んだことがある
その時 階下まで奥さんが出ていて案内して下さいと言われた
私は瞬時も夫の傍を離れたくはなかったが致し方なかった
只一人実に心細くあった


社宅時代は何につけそんな時は周囲の助けがあった筈
それなのになんという冷たさだろう


管理組合なぞ死に体だ


自己責任という言葉で片づけられる あてにはならない
せめて私はどうであれ出来ることはしたい気持ちでいる
力はないが心はある 思いやることくらいできる
そうやって生きてきた 生かされてきた ありがたい







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