「淋しいから呼んだのよ」

 「今日は来れますか?」とショートメールが入った

  洋骨董屋さんのオーナーさん!

 私のアルバイトは曜日も日も決まっているわけではなくて

 行きたくて行けばあり 依頼されたものが出来あがったら持って行き

 ついでといっては何だかへんなのだが働く(?)のだ。



 「おはようございます お仕事はなんでしょうか」と訊くと

 「それがね 今日はないのよ 淋しいから呼んじゃった」

  あぁそうですか と こちらももこちら


  ディスプレイを直して ちょっとお喋りして

  そうこうするうちに 

  お嬢さんと呼んで差し支えない6、70代以上の皆さんが

  お宝部屋というべき店内に次々いらしては

  「ここは楽しいのよね〜!」っと女学生の声でさんざめく

  

  私はお集まりは苦手であり(大嫌い)なのだが
  
  なぜかここでは饒舌になる

  識っていることをひけらかしにならぬ程度にドレッシングして

  アンティークの由来を語りつつお進めする

  そして「お似合いです」と本当に感じる時だけに限り言うのだ


  それは千円であろうが万円であろうが同じ

  訪れる方々も 言ってみれば金銭感覚など越えた方々だから

  それでよし


  「あ〜!助かったわ ありがとう」と時給を下さったオーナー

  「楽しかったから いらないわ」と応えると

  「それはそれよ」と で、ありがたく受け取った

   修理するもの3点をバックに入れて

  「じゃ ありがとうございました また来ます」と外へ!



   明るい秋の空に「また来てね〜 バーイ」と送りだされた





                  ✿