十月 甘露


早く書きたいと想いつつ暦が過ぎてしまったが 十月八日頃を甘露という

ノートを処分してしまったのでいつ頃詠んだものか定かでない

おそらく二十歳くらいかと・・・


  紅絹ちらす甘露のしずくふりわけて京友禅の色のあざやか ゑぽむ


紅絹とは「もみ」と読む 紅葉は故郷の家の庭でうっとり見つめていた

北に住めば当然のこと享受できる特権だったといえる

紅葉狩りに出かけなくとも身近にある自然は美しい




太郎三歳の時に次郎が誕生 住まいしたのは広瀬川のほとり

20分ほど歩くと大念寺山への石段があり

一歳の次郎をおんぶし 四歳の太郎を励ましつつ上った野草園まで

おむすびとお菓子 水筒にカルピス 「はやくたべたいよぉ!」

はいはい! もうちょっと頑張ってね お山についたらのお楽しみ!

葉っぱを拾って帰って障子に貼った「お家もお山みたいね」と



昨日夕方 hohsiさんが柿を送って下さった

庄内柿とそっくりな食感 種は無くて その部分がツルンとゼリーのよう

添えて下さった 真っ赤な宝物



        

       人間の血色たまわり笑むざくろ  ゑぽむ





     紅絹(もみ)は年月を経てこんな俳句もどきと変化した





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