喪中の葉書

 十一月になって喪中欠礼の葉書が五枚届いた


 七十二歳 七十五歳 九十三歳 九十五歳 百歳


 百歳の義母上を見送った友人


 彼女を思った 実は単身赴任中四十二歳でご主人が自死された


 当然のことながらまだ若い御両親がいらしたのだ


 逆縁となった母上の悲しみ 友人の悲痛 子供さんは途方に暮れ涙


 ご長男は「「僕のせいだ」と号泣したと聞いた

 
 高校を変わりたくなかったから一年だけと(わがまま)を言った


 彼の一生の悔いになっているのかもしれない


 長い月日が経って 彼女は健康と元気をとりもどした

 
 ご長男も結婚されお子様もいるらしい


 お父さん似の子供ながら美形であったリカコちゃんはどうしてるかな


 人生は辛苦に満ちている それをなんとか往なして過ごす


 やがて光射す国に旅立つ日が来る


 そのための準備なのだ


 どんなに辛く厳しいことも学びなのだ 修練なのだ


 五枚の葉書を繰り返し読みながら つれづれに






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