命の灯り


        

               命の灯り


 黄落という映画があった


 過日高倉健さんが亡くなり きのう菅原文太さんが亡くなった


 菅原文太さんは義兄の同級生であり 年賀状をやりとりしていた


 昔 義兄は言っていた「文太は子供の頃からだが弱くてなぁ」と


 友達が亡くなるとは淋しいことだ


 父の葬儀のときに弔辞を読んでくださった方は


「二人で楽しかった日々 私はひとり残されてしまいました 


 せめて米寿まで・・・」と男泣きされていて 


 その孤独を思うとやりきれなかった


 「お義兄さん!と電話したかったができなかった」


 知っている人がみんな居なくなってしまうね


 それはそうさ仕方が無い 順番だもの


 順番どおりでなかった菅原文太さんの逆縁の苦しみ


 姉は息子を見送っている


 きくしゃん まりんかさん mikuちゃんも


 隆さん けいこさん 何か言ってよ 


 なぜはやく連れて行ってしまったの? 神さま


 そちらに是非ともほしい人材だったの?


 問いに答えはない いつも沈黙


 ただ 彼らを想い語りかけること


 それだけが 唯一の会話


 命の灯りはいつまでも暖かく明るんでいる