新しいドクターと出会う

ここ数か月 喉に違和感があった 
大きな不安の塊が息苦しくて堪らなかった
信頼しきっていたドクターとの突然の別れのショックは
なかなか癒えないでいた


キーボードを打つカチカチカチカチという音は耳に障り
私はただの情報として記録されているに過ぎないと望みを失っていた
毎日のブログアップをバロメーターにして
「やめたら終わりだ!」と励ましていたジレンマ


二日前に思い切って近所の友人の息子さんが通うクリニックに電話予約
藁にもすがる思いであった
薬は予備があったが それは災害時用
セーフだった


友人が私のことをドクターに話して下さったのだ
そして夕方5時ならゆっくり話を聴いてあげられますよと伝えてくれた
すぐに予約 とても優しい声で受け付けて下さった看護師さん
きっと大丈夫・・・大丈夫と 長い日を読書にそぞろに費やし
苦手な夕暮れに一時間早く待合室に入った


混んでいた 息子のような青年が目立った 親子の姿も・・・
何度も水を飲みに行く隣席の誰かの息子
誰も声を出さない その感覚が痛い苦しい


静かに名前を言われ「次ですのでね・・・」と 心遣いに感謝


私の番
ドアを開けて「先生 初めまして 宜しくお願いします」と声がかすれた
ドクターは70代と見受けられた 肩幅の広い鍛えられた痩身
穏やかな声で話しかけられホッとした
あぁドクター 会いたかったです・・・と


一時間も聴いて下さり 頷いて下さり 安心を下さった
暮れきった外気と灯りは私を包み照らしてくれた


   ディア ドクター


あなたを探していました  友に感謝 出会いに感謝
長い数か月の息苦しさが氷解した


帰宅すると夫がコンビニ夕食を用意してくれていた
生協の配達の日でいっぱいの食材があったのに
「何もかも読むと難しいからコンビニよ」と
そして「良かったな」と 「うん」


友人に電話して伝えた
「ありがとう 何て言っていいか解らないのよ ありがとう」
彼女の息子さんが納得したドクターなのだそうだ
だから私も安心できた 何度もお礼を言った
彼女が困るほど言った


助かった 生きられる 独りじゃない もう大丈夫







                💮