小さな同級会

支度をして歩き始めた途中に
確かに同級だった子が草原に座って笑っている
「何処に行くの?」
答えてはいけない気がして「ちょっとご用足しに」
彼女は昔と変わらず鉛筆の林立した机で
必死に何かを書いていた
部屋が草原に模様替えになっただけだ
分厚いメガネのレンズの目が懐かしい
濃紺のカーディガン 黒いおかっぱ頭
顔だけが老けていた

会場に行くと知った顔が誰もいない
小さな男の子が幾人も居る
「あぁ僕は君に会えたのが一生の宝物なんです」だなんて
感激のしようもないがなぜか恐縮してお礼を言った
「私こそそうなんですよ ありがとう」

なぜだか来る途中に会った彼女以外は子供ばかりだ
息子の参観日に紛れ込んでしまったような・・・

夢 たった今 見た夢

私は一度も同級会も同窓会も参加したことがない
懐かしいと思えないのだ
むしろ怖い
また あの子供時代のの残酷に当てられたら太刀打ちできない
いや 勝って勝って勝ちまくり後悔するかもしれない
それほど私のお腹はふくれている

いや もう そんなことはない 
でもなぜこんな夢を見たのだろう
行けばよかったと 行きたかったのだというのが本心なのかな

小さな子たちごめんなさい
おばさんはいつまでたっても大人げないことねぇ





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