白菊会

三昔以上前の事だったと思う
亡母の実家で行方不明だった人の所在が知れた
どこでどうしていたものやらそれは分からないが
自分亡きあとは白菊会で役に立ち
その後には懐かしい郷里にという想いであったらしい
里では名前だけは解ったその人のお葬式を出して
墓所にねんごろに葬ったという


夕べNHKで特集をしていた
今や墓守も「迷惑」のうちで
それらをなくして白菊会の納骨堂に入る希望者が多いという
医者の卵たちのために献体してすべてをさらけだして
すべてを捧げて骨になって大学の中に眠る


夫婦で約束して前後して入る方々もいる
とはいえ白菊会も満杯であるという


さて死後 どこに落ち着くか
そこまで考えて用意せねばならぬ
お墓参りは大学の庭
そうできればいいのだが・・・


ともあれ体のどこかが誰かの役に立ち医学の進歩に繋がり
自分たちがぐっすり眠れればいいなという話





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