うらおもて人生録
ペンネームを三つも持って書き分けていた作家 色川武大
「うらおもて人生録」にこんなくだりがあった
実力勝ちというけれども どんな勝ちでも
運をまるで使わないというわけにはいかない
いいかえると 生きている というだけで
すでになにがしかの 運を使っているんだな
けっして 権利で当然 生きているわけじゃないからね
著書一覧をを見ると知らないうちに読んでいた幾冊かがあった
もっと若い人かと思っていたらもうずいぶん以前に
岩手県一ノ関市で60歳で亡くなっていた
本をあまり読まない文学青年で
旧約新約聖書に熱中していたそうである
交友関係の広さに驚いた
誰かを一心に慕い習いそしてそのように慕われていた人だったのだろう
「黒い布」から読み返そうかな
40過ぎてから生まれた長男としての父への思い
人生を貫くものとなった彼の「父」という人を知りたい