私の創った人形Ⅰ

       


       


メモリースティックからパソコンに戻ってきた私の人形
自分で言うのもおかしいけれど
こんなにも優しい表情の人形を私は創っていたのだった
今はもう とても創ることはできないだろう
心をこめて魂をこめて粘土を手と指でこしらえ
細い面相筆で目を描いていた


私の手の中にひたりとすわる妖精人形が見つめるのは私
こうして向き合う時がとても好きだった


今も何体もの いいえ 何人もの人形たちがガラスケースにいて
猫と夫婦の日常を見つめ続けている


いつかまた 創れる日がくるだろうか
その時を待っている 力が湧いてくるその日を