夫の心

郡山に来た 義父の居なくなった家…庭には草が伸びヤツデの大きな葉がワサワサと地面を掴むようにおちている 早速草取り、衣類の片付け、なにしろ捨てないという美徳に敬意をはらってバザーに出す物とそうでない物により分け、何枚もの風呂敷に包む 夫は大物に取り組んでいる。 ラジオを探し出しFMの音楽を聴きながら「私ね、おじいちゃんの死がこれほど胸をしめつけるとは思わなかったのよ」と言った…夫が「俺もなんだよ ずっと落ち着かないんだ ヘンなんだ」 そうだろう 義父は力に満ちていたのだ 父に限って死ぬ筈はないのだった 父は私達に有形無形の多くのものを残してくれたのだ。夫は心のありかを行く末を自分で見つけるだろう 私がそうだったように。