ひったくり

       


午前三時に目が覚めると月明かりが部屋にさしていた 満月
どんな被害をもたらしながら日本列島を縦断したのかまだ分らないが
通り過ぎたあとの空は澄み切っている
本が読めるほどの明るさ 美しくて撮ってしまった


昨日は久しぶりに亀ヶ谷を歩いた
山坂である あちらから登ってきた若者二人がハアハア息を切らせている
こちらは平気だ 慣れたる道だからだろう


お世話になっている知人を訪ねるとだいぶ落ち込んでいる
夜のウォーキングでひったくりに遭ったという
三人で毎日午後7時半から8時半まで歩く道
三周したところで「じゃまた明日」と別れるや
悲鳴がして駆けつけるとうずくまる友人と
バックを持って走り去る若い黒い影 用意していた自転車で走り去った
友人は仕事帰りだったから財布、免許証、家の鍵、仕事場の鍵すべて持っていかれた
その際にトウガラシスプレーをかけられ大変な目の痛みだったという
知人は「ドロボウ!!!」と言って追いかけたが男は闇に消えた
命をとられたり大けがをしなくて良かったと思うしかないと・・・


まさか自分がという目に遭う うなされて三度も御主人に揺り起こされた
そうだろう 怖かっただろう
警察官は四人も同じ質問 住所、氏名、電話番号を訊くので辟易して
何度も言いました もう言いませんとキレたそうだ


その後 家に指名で電話してきてまた
住所と電話番号名前を訊いたという かけてきたなら分るだろう
もう怒り心頭の彼女であった





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