立冬


       

       
      「 柚の明日香り立つ冬暦かな 」 ゑぽむ


昨日 秋の季語である柚をいただいた そして浮かんだので記した





秋だ秋だと思っていたら立冬なのである
書いておきたい ある方を思って


       「 秋雨にふたしずくほどこめしかな 」 ゑぽむ


       「 秋雨が応えとなって掌に 」 ゑぽむ





しみじみと心に沁みたこと一つ


       「 他家の娘に母よと呼ばれ秋暮れぬ 」 ゑぽむ






喪中欠礼の葉書を出したら懐かしい友から電話があった
20年以上前に御主人が自死なされ 苦しみぬいた方で
長男長女を育て上げ 孫は「ただ可愛い」のだそうだ
穏やかな声で「懐かしくて電話しちゃったの」と言う
この年月 彼女とお子たちの心の葛藤を思うと・・・
いや思うことはできない けっして解り得ない胸中だからだ
年に一度 三重県に住んでいた頃の友人たちと
名古屋でおちあって旅し語らうのがたのしみなのよと・・・
ひとしきり思い出話に興じて何かには触れずに受話器を置いた




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