商店街


       


立ち止まってつくづくと読み入ってしまった・・・
二日置きくらいに買い物に行っていた八百屋さん
「うちは国産のものだけよ 幼稚園の給食に卸してるのよ 安心よ」
おばさんは会うたびに言っていた
「うちの息子はね慶応を出たのよ 孫もそうなの 良い子よぉ」
「奥さん こっちの方がいいわ 新しいから」
しばしお喋りもしたのだったが
やがて ごめんくださいと言っても声が届かなくなった
そっと奥まで入ってみると おばさんはテレビをつけたまま眠っている
そういうことが度々あって 行かなくなってしまった
足がご不自由なこともあって呼びだすのが躊躇われたりもしたのだ
大きな声で呼べばよかったのかな・・・


車の往来が激しいのでちょっと曲がって撮ってしまった
これでまた北鎌倉商店街の灯がひとつ消えた
スーパーもあったしお惣菜屋さんもあった 魚屋さんもあった
昔は実に賑やかに栄えていたというが後継者がいない実情



      「 冬菜置く店戸締られ終いかな 」 ゑぽむ




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