先輩方のお話
「ブレンドお願いします」とオーダーしてバックを見ると本が無い
あぁ持ち忘れちゃった そうするとこうなる
「 書を忘れ途方に暮れるまなこかな 」 ゑ
「 致し方なく書きつける枯れ葉帳 」 ゑ
からんと空いていた喫茶店に先輩方男女6人ほどが入って来られ
賑やかにお喋りが始まったので耳を傾けた
これは聞きとったことを五七五にしたまでで他意はないので悪しからず
「 弔いを様々語る枯れ木達 」 ゑ
「 網棚に忘れておくれ骨箱は 」 ゑ
「 献体は断られると白菊会 」 ゑ
「 孫などは老い送り果てて手慰み 」 ゑ
あの方がいらしたら何て仰ったかしら 惜しい方でしたね
海になんか撒いちゃいけないっていうじゃない 埋葬許可書をとらなくちゃ
墓なんてどうにか処分しなくちゃねぇ
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日野原重明先生の「老いを創める」はしみじみと良い本だ
先生ご自身がお優しくてお歳を召しておられるからこその実感
末期の患者が様態が悪くなったとたんに家族は病室の外に追い出され
乱暴ともいえる蘇生措置がとられることを嘆かれる
なぜ静かに見守って逝かせる体制が日本には浸透しないのか と
「明治生まれの私は、年からいえば当然人生の冬に入っている人間と
誰もが思うが、内心私は、秋の夜長のように、私の人生の秋が
できるだけ長いことを今でも願っている自分にふと気付いた。」
付箋を何か所にもはさみ読了
何度も開く本になる
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