お義姉さんとの電話

        


昨日の郷里からの宅配便 義姉にお礼の電話をした


「うれしい! ありがとう! 美味しいのがいっぱいね!」


はいはい お兄さんに代わるね


「You兄ちゃん ありがとう 梅酒おいしいねぇ」


もう呑んだのか少しずつ呑めよ割って呑むんだぞ(呑む呑むばかり!)


またお姉さんに代わってお喋り


町内で三月生まれの方の誕生会が催されるのだそうだ


義姉は三月生まれ なにしろ多い 姪、甥、長姉、次兄、私


さてその誕生会だが 50代から上は限りなく参加


60.70.80.90.100歳まではいるかしら・・・とにかく楽しいらしい


姉は若いほうであるから誕生月でも立ち働かねばならぬのだそうだ


そしてそのお集まりには約束事がある それは


      「孫と子の話はしないこと」


なるほどなぁ・・・ある意味 思いやりのあることなのだと思った


孫の居ない人も子を亡くした人も いろんな事情を抱えた方々がいる


娘が離婚してるかもしれないし 孫がグレているかもしれないし


歳を重ねればそれなりに様々な心の傷みがある


訊かれたくないこと 応えたくない事 いっぱいだ


震災の後は尚更のこと


他の話ならいくらでもある 春になったらしたいこと 花のこと


何処へ行ったらどんな鳥にあえるか 山菜獲りはいつごろにするか


その時は一緒に行こうじゃないか


持ち寄った料理の作り方講座にも発展するだろう


老若男女が集まって 安心で心楽しいひと時を過ごす


良い事だなあと 電話を切って穏やかな思いになった




         逃げ出した生まれ故郷だった
         同窓会にも一度も参加していない
         でも なんだかホッとした
         温かな気持ちになった
         


   「故郷がすいと近くで囁いた温い腕に帰っておいで」    
ふるさとがすいとちかくでささやいたぬくいかいなにかえっておいで





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