短歌

福島の愛しいペットたち

目覚め来よ腕に温みほのぼのと福島の仔等よ日向にあれ ゑぽむ (かいな) 日々愛されていたペットたちは置き去りにされた 飼い主のお母さん達の悲しみを思う 駅前で時々 里親募集をしている 募金をする 二頭と決まりがあるからマンションではもう引き取れな…

百人一首と落語

千早ぶる神代もきかず竜田川からくれないゐに水くくるとは 在原業平 これは季節は今 あまりに有名なのでご存じ多くいらっしゃるでしょう (千早ぶる)は(神)にかかる枕詞です (竜田川)は奈良にあります ・この美しさはいったいなんであろうかな 川底をそ…

身も蓋もない・・・

「きちがい水をすいこんで身も世もあらぬ明くる日の身も蓋もなき寒さかな」 どなたの歌なのか失念してしまったし 検索しても解らないがむかし朝日新聞のどこかに引かれていた短歌なのだとても可笑しくて いつか息子たちが二日酔いでもしたら言ってやろうと暗…

由比ヶ浜の青空

あくまでも空と海とは同じゅうて確かむる術はなかりき ゑぽむ その境界はどこなろうかと海を見つめても 空と海との境目は見えない 近寄ればわかるのか 虹かほうき星のようにふっと去っていく つかまえきれない言葉の数々 こんなに晴れている 人生の逆境は私…

歌人 田井安曇(たいあずみ)さん

ある日の朝日新聞「折々のうた」 ✿ 別れきて門をくぐれば人恋うる吾よりかなし母の目とあう あのころは毎朝切り抜いてはノートに貼っていた そうしつつこみあげるものは 母と母なる自己の悲しみであった 何故伝わるのだろう 内緒の恋のはずなのに (吾よりか…

子育ての記

いつの頃だったろうか こんな歌を詠んだ ・ここへ来てよくあることと語り合おう身の丈足るにほんの束の間 だれかと語り合いはしなかった ただ みんなが同じように子供と共に悩み育つのだと気付いたのだった 「子供が一歳なら あなたも一歳」こんなコマーシャ…

キンモクセイの回覧板

・キンモクセイの香りて礼のあの方の理詰めのリズムよぎりうれしも 静かな季節の交代時期 大きな芙蓉が咲きながらキンモクセイは香っている もの悲しい香りである こぼれ散り地面を染める花を見る時も近い 「独り歩こう会」の開催 小さな柿も色づいている 朝…

飛行機雲

なんと久しく空を見上げなかったことだろう 西日がひいてホッとして網戸を開けると 竹林の風の音に添うように 夕焼け飛行機雲 あぁ なんてきれいなのだろう ふと視線を感じた みけが「お母さん なあに?」と訊いている みけ! ねえ見てご覧 お母さんの目じゃ…

このごろを三十一文字にしてみれば

・気にするなかまうことなく聞き流せなんと意味なき慰めだろう ・午前四時すだく虫の音みちていて我を包みて守り給えり ・猫二匹共に起きたり何用かあぁねこじゃらし一人あそびで ・さかしらな言葉とどかぬ果てなきか幾星霜を過ごしいたれど ・たれかれの悩…

邂逅に三十一文字のあり嬉し

昨夜きくしゃんから電話があった そしてなんと、なんと、悠作兄さんとお話することができた 奥様を見送られたばかりの兄さんは それでも声に力が戻っておいでで お会いしたことがないにもかかわらず 話ははずんだ 短歌を長年結社に所属し詠み続けていらっし…

深き闇その淵よりの生還を静かに雨の迎えおるらむ

昨日は次郎と散歩した これは快挙である ず〜っと諦めず待っていた日がきたのだ 「傘をさしてるから顔を隠せていいや」と言うので 「小林多喜二みたいね」と答えると 「誰それ?」 そこが太郎と違うところだ 読んでいる本の傾向が違っている 「あのね特高警…

鳴かぬ烏の声聞けば

息子たちが小さい頃に「一休さん」のアニメを見ていた いつもとってもとんちが面白いのだけれど たまに胸痛む内容の時があった 母上との別れ そして・・・ 「闇の夜に鳴かぬからすの声きけば生まれぬさきの(親)ぞ恋しき」 それは盗人の話だったと記憶する …

たわむれに本歌取りなぞいたしける

桜花散り果てかねてあはれなり人の占めたる位置のはだらに ゑ にわかにかき曇ったと思うや雷鳴が響き渡り風雨強し そこを歩くのもまた佳きかなとばかりの偶然 花は降る雪のごとくあり嬉しきことかぎりなし 洗濯物の濡れるを見てこの節に外干しででかけてはい…

実に久しぶりに短歌詠み

人間のなりをしている魑魅魍魎我ら傀儡藁の人形 高飛車に出る快感は知らなんだ何をかもをも放る両の手 化け物の正体見たりそは母とイデオロギーの介入とす ゼラチンのような脳ミソがマーライオンごととどめなく出る 藁束が頭に詰まっていたとても光る季節の…

秋の花香りてさみし空たかく

金木犀の流るる道をそぞろゆく ゑぽむ 民さんは野菊のようなひとなんだ ゑぽむ 思うことがうまく伝えられないことがある どれほど言葉をつくしても汲めないこともある それはそれで致し方ない 季節はそんな人間の瑣末なことなぞ通り抜けて 秋の香りを漂わせ …

お義姉さんとの電話

昨日の郷里からの宅配便 義姉にお礼の電話をした 「うれしい! ありがとう! 美味しいのがいっぱいね!」 はいはい お兄さんに代わるね 「You兄ちゃん ありがとう 梅酒おいしいねぇ」 もう呑んだのか少しずつ呑めよ割って呑むんだぞ(呑む呑むばかり!) ま…

〜ふと感じた自分の成長〜

ガード下の展示コーナーに小学生の短歌がありました 一首目はほのぼのとするユーモア賞 二首、三首目は 並んで最優秀! EPOMのこの眼鏡で選びました 50首ほど展示されていたのです 小学6年生の皆さんの短歌は なにを小癪な小童めではありませんでした な…

山崎方代

冬になるとなぜか山崎方代を思い出す 甲府生まれで放浪し晩年を鎌倉で過ごした歌人 口語の歌が悲しく可笑しく淋しく深い そなたとは急須のようにしたしくて浮世はなべて嘘ばかりなり 学校を出ていないゆえ一休さんを一ぷくさんと今も呼んでいる わたくしが死…

風の音にぞおどろかれぬる

秋きぬと目にはさやかにみえねども風の音にぞおどろかれぬる 古今和歌集 藤原敏行 昨日の夕刻の空 そして夕焼けの雲 細い月も出ている 昼間は(秋きぬと)も(おどろかれぬる)もなく焙られるようだが 朝夕には確かに秋がただよっている 今朝も蝉しぐれ 今鳴…

北原白秋 「桐の花」より

病める兒はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出 ただしづかに金のよき葉のちりかへりいかばかり秋はかなしかりけむ 病める兒を亡くした人も病める親を亡くした人も共に病める子であるな 思いだしてそう感じた 読み返す時期によって受け取り方…

春らんまんの蛙いっぴき

「 ばんざいの姿で蛇に銜えられ春らんまんの蛙いっぴき 」 鳥海昭子 山形県鳥海山麓に生まれ育ったという詠み人である 毎年アップしているからまたですかと仰る方もおられるだろうけれど この歌が浮かんでしょうがないのだ 明るい色の蛇だろう 蛙は白い腹を…

与うるは受くるより幸いなり

父の庭にほころびかけた花一輪 サトウハチローさんの詩の陶板 実に拙い歌を二首 たおやかな白き骨にて義母の在りひととせののち義父つきゆけり たくましき大腿骨の箸に重く義父人生のそのものと見き

春の花咲きて

この春にミモザが咲き 活けながら裏切りのような心地になりました オオイヌフグリを摘んできました 野におくべきでしょうが 「さんずいの指し示したる地の名にて豊饒のあり昔日に帰す」 「神仏なしと言わしむ災いの闇色の水に時事のみこまる」

白鳥はかなしからずや

この道を急いだ 地震で割れた岸辺の無残 ここは郡山の実家近く 善宝池 遠くの白鳥に声をかける「ホ〜イホ〜イ」 声が出ない 何度も声をだす 「ホ〜イ ホ〜イ」 どんどん近くにやってきた 羽ばたいている! な〜んだ何にも美味しいものはくれないの?と 羽づ…

ドラえもん短歌

本屋さんに入って いつもは行かないコーナーに立った 背表紙を次々読んでいく おや!「ドラえもん短歌」 なかなかほろりとするじゃない 三首記憶した 本屋さんの外に出て手帖に書いた 中で書き写すわけにはいかないもの ドラえもんが好きだといえる人だった…

俵万智さんこのごろ

画面をクリックして新聞の俵万智さんのコーナーを読んで下さい この新聞切り抜きは仙台に住む姉が送ってくれたものです 河北新聞 白川以北の地方版です 私が短歌を嗜むので読んだらどうというわけです サラダ記念日で一躍脚光を浴びた彼女でしたが まさかシ…