北原白秋 「桐の花」より


病める兒はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出


ただしづかに金のよき葉のちりかへりいかばかり秋はかなしかりけむ



病める兒を亡くした人も病める親を亡くした人も共に病める子であるな
思いだしてそう感じた 読み返す時期によって受け取り方も変わる
二首目「ただしづかに金のよき葉のちりかへり」亡き人が輝いて
こちらを見つめているようだ


沖縄の母上の葬儀にはチケットがとれず行くことができないが
遠いが近くの心で祈りを捧げよう




昨日のニュース 吉井勇の未発表の短歌が見つかったという
彼は甘美な祇園歌人と呼ばれていた蕩児であった 
これは石碑にも彫られている有名な歌

   
かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる


   

日向灘舵手と帆方のあらそひを北風吹いてわが船暮れぬ


勇がやがて病いを得 わが身に重ねて詠んだ歌だが
蕩児の片りんも見えず哀れ これを鉄幹はイキと○したらしい
一度は線で消しながら (未発表だった歌)






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