秋の花香りてさみし空たかく


        

       金木犀の流るる道をそぞろゆく  ゑぽむ



        

       民さんは野菊のようなひとなんだ  ゑぽむ




思うことがうまく伝えられないことがある


どれほど言葉をつくしても汲めないこともある


それはそれで致し方ない


季節はそんな人間の瑣末なことなぞ通り抜けて


秋の香りを漂わせ 美しくさやかな景色を見せてくれる


十月は「寒露の滴」の降る月だ   


高い山々は紅葉が美しく彩られる



 「もみ散らす寒露のしずくふりわけて京友禅の色のあざやか」ゑ


        若いころの短歌だ 懸命だこと




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