福島の愛しいペットたち

        


  目覚め来よ腕に温みほのぼのと福島の仔等よ日向にあれ  ゑぽむ
       (かいな)

 
 日々愛されていたペットたちは置き去りにされた
 飼い主のお母さん達の悲しみを思う
 駅前で時々 里親募集をしている 募金をする
 二頭と決まりがあるからマンションではもう引き取れない
 内緒で三頭の頃もあったけれど
 あれは太郎が連れてきてしまったのでいたし方なかった
 実に静かな猫で 彼女には学ぶところが多かった
 皆々が静かに天命を全うすることが望ましい
 しかしやっと自宅に戻ってみると餌の袋を傍らに餓死している猫
 お母さんが泣きくずれていた もらい泣きしたっけ
 あの仔等が優しい手で撫でられて ごく少数なのだろうが
 助かって仔犬猫が生まれている 老犬猫もいる
 農家の家畜達のたどった運命は涙を禁じえない
 ひたすら黙って待っていたのだ
 毒の草を食みながら






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