百人一首と落語
千早ぶる神代もきかず竜田川からくれないゐに水くくるとは
これは季節は今 あまりに有名なのでご存じ多くいらっしゃるでしょう
(千早ぶる)は(神)にかかる枕詞です
(竜田川)は奈良にあります
・この美しさはいったいなんであろうかな
川底をそして川面を染める紅葉の色
それは神々だけがおわした頃でさえ見ることはできなかったと
おもわれるほどであることよ
この歌を長屋の八っあん 熊さん が大家の旦那のところに訊ねにいきます
大家さんは「そうさ こうだよ!」と解釈を始めます
・竜田川という相撲取りがいたんだな
そいつが「千早」という遊女に恋をした しかし振られた
まったくいやんなっちまった竜田川は相撲取りをやめちまってな
豆腐屋を始めたんだよ そんな折にな
すっかり身を持ち崩した「神代」が訪ねてきて
お腹が空いているのです 「おから」でいいから下さいと言ったんだと
竜田川は神代を見て 振られた腹いせにドンと突き飛ばした
可愛そうに神代は井戸に落ちてしまったてぇわけさ!
八っあん&熊さん 尚訊ねる 「で(とは)てぇのは?」
大家の旦那「そりゃあ 神代てぇのは源氏名で 本名が とは!」
という顛末
私が書いたんじゃあ 興醒めになったかもしれないけれど
毎年紅葉狩りの節になると思い出す歌であり落語の一席なのであります
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おちを間違うという失態のお恥ずかし
穴があったら入りたい 穴まどいの心地です
訂正 13:02
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