脈絡なく本読み
もっと読んだがこの4冊を紹介 新しいのは浅田次郎さんの文庫のみ
過日紹介した「イアリング」=「Yearling]
読み始めはとても楽しくて楽しくて自分も森に遊ぶ少年のような気持ち
それは下巻になり 主人公のペット仔鹿の成長に伴い心は不安におののく
「いありんぐ」とは(耳飾り)ではなくて(年月)であった
ジョディが思春期になるのと同時にその時はやってくる
仔鹿のフラッグは角が出る時期となり やんちゃは家族の生活を脅かす
父親ペニィは知っていた その時が来たことを
辛いつらい決別の時はやってきた
それはフラッグを深い森に帰すという簡単なことではなく
弟のように可愛がり一緒の寝床に抱いていたその温みを
ジョディの手で二度と駆けまわることのない骸にするという愛切
フラッグのまなざし・・・
残り頁が少なくなるにつれ本を閉じることが多くなった
それは読み進むにあまりに不安だったからだし
結末を予想できたからだ
ジョディは弱った父親の代わりが充分つとまるほどに成長し
哀しみを皮肉でまぎらす母親の助けとなるだろう
そこまでの彷徨と想像を絶する飢餓
彼は力強く生きてゆくだろう
今 この物語りに出会った事は私への天からのプレゼントだ
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