バス停にて

「来ないなあ」とオジサマがおっしゃる
「来ませんね」と応える
時間通りにくる筈の始発・・・道が混んでるのかしら・・・
本を読みながら待っていた
オジサマのため息に ふと目を上げる オジサマはじれったそう
すると抱擁が目に入った


       クリック!

      永訣の真昼みたいに泣いていた ゑぽむ


抱き合い背中をトントンしているのが見える
ただのハグではない ながいことそうしたままで
やがて二人は離れて行った それぞれの道へと・・・


ENDの幕のようにバスがきた
エンディングロールは停留所名
なんの曲だろう 「ノルウェイの森」かな
いや 「春の小川」だ
二人は さらさら流れていったのだ


岸のスミレやれんげの花に すがた優しく色美しく
咲いているねと囁きながら





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