文庫本とコーヒー一杯


        



なんといってもこれが一番のたのしみ


物語の中にとっぷりと身を沈めて 肩まで? 頭まで!


本の中に入り込んで登場人物と行動を共にする


背後の緊張感がたまらない  何重にも表現力をもつ作家は魅力的


彼等の旅と取材とおびただしい量の資料と


そしてなによりも その臭覚の鋭敏さ  すばらしいなと思う


一家を成すとはそういうことだ


コーヒー一杯で80分 


夢から醒めたように外に出る


どちらが私の世界か一瞬 解らない それも一興


長編小説の人生の中の短編の夢





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