当選の鎌倉彫をいただいて

いつだったのか忘れてしまったけれど
由比ヶ浜の「ジャックと豆の木」というギャラリーで
鎌倉彫作品展をみて素晴らしい作品の数々に目を瞠った
こんなに斬新で細密なものが作られている
受賞した作品はそれはそれは当然のことで見惚れて立っていた
そして小さな帯留めがまた良い手なのだった
如何せん帯の上に置いて下さったらどんなに映えることかと
アンケート用紙によけいなこととは知りつつ書きこんだ



        

      手つくりのわろさ嫁せぬと母の云ひ  ゑぽむ


箸の持ち方が悪かった どんなに注意され直してもとうとうダメ!
「そんなことではお嫁にいけない みっともない」
なんということか夫となった人もヘンテコリンな持ち方で
器用にご飯を食べていてお魚なぞは実にきれいに骨にする
そして父のように身をとってくれたのだ
さんまの歌 佐藤春夫の詩のようだ 
世の中よいようにできているのかもしれない



        

        三月の暦始めとほほ笑めり   ゑぽむ


添えてあったお手紙のとおり一月二月は過ぎていて
めくって三月四月からの暦である
この完成度の高さ 鎌倉彫りはこんなに美しく圧倒される
美術館、個人所蔵 うちのお盆も仲間なのだが そうなのだが




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      あちこちに似たるチープな瀑布あり  ゑぽむ


皮肉らないと気がすまないわけではないが ついでの一句
みなまでは申しませぬのでお汲みとり下さいませ





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