試みが上手く出来たと上機嫌

        

       きみの花散り敷き広げ抱くなり  ゑぽむ


満開の桜を見上げることは少しこわかった
散り果てる前の若葉のまじった桜は実に好ましい
木の影法師に句を入れて根を枝に見立てて嬉しいこの季節
この試みは吾ながら成功と自信作 恥ずかしいが・・・




        

      デパ地下に退色をせし苺形   ゑぽむ


白い苺はないだろう 奇をてらってこれはない
苺は赤いのだ 何を思ってこしらえたのか不可解なり
「貧血の苺あはれに思われて ゑ」その名は「初恋の香り」とあった




葉桜になり始めてホッとした
満開の花を愛でる気にはなれない性だ
さまざまな試みがなされては消えてゆく多くのことが
こうして赤い苺にまでなされ「違うでしょう」
ショートケーキが真っ白でしょう
「売らんかな」精神はいけませぬ
自然の色を変える権利はない 人間よ謙虚になろう





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