思い出の共有と共感

        
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次郎が部屋を掃除し始めて 
「お母さん これお兄ちゃんに送ってやったら?」と
箱を持ってきた 何もかも全部持たせたはずが
「思い出の箱」とラベルに私の字
友達からの手紙 名札 中学の生徒手帳 そして小5の読書カード
こみあげる懐かしさ
あぁ 私と同じ歳に同じ本を読んでいたのだ
きっと薦めたのだったのかもしれない
今よりもしっかりした字を書いているのが可笑しい
私自身の思い出と重なって泣きそうになった
これらの物語は太郎の頭の中にしっかりとはいっている
そう思うと愛しさでいっぱいになった
タイムカプセルだ


「全部捨ててしまったよ卒業アルバムもなにもかも」
でも小学校の「イヤイヤ野球クラブ」が箱にまぎれこんでいた
大きめの記念写真もあった 
「あ!コンちゃんだ ブンちゃんだ
  あぁ 懐かしいや みんなどうしてるのかな」
ここに飾っていい?
転校生はチームには入りにくい しかし強制入部だったのだ
イヤイヤ参加の写真は 思いがけず宝物となった