友の声

6月に「市民病院にて」と手紙をくれた友達
封書を出しても携帯メールをしても返事が無くて
心配で頭いっぱいだった 何をしていてもつらい
もう彼女は遠いところにいってしまったのだと諦めていた


電話が鳴った


   「あ EPOMちゃん ごめんね」


元気な声 友の名を呼んだ 呼んだ 叫んだ!


彼女は ある日呼吸ができなくなって入院
喉の手術を受けて 一時はICUに入っていて
鼻に喉に管を入れられ声も出せず 食べるもできず点滴だけ
「あぁ私は生きられるのだろうか」と不安だったという
その間に 胃にポリープがみつかり 切除のための体力回復待ちだった
運よく開腹手術でなく ころりと取れたのだという
体重が15キロも減った
「でも 私デブだからいいんだぁ!」


そして退院 義父上の新盆に奔走 多忙だった


以前は話ていると咳きこむことが度々で呼吸も乱れだったのが
若い頃の声になり ほんとに健康を取り戻したようで嬉しかった


この2ヶ月 ずーっと毎日待っていた そして諦めて
彼女の誕生日8月6日にはバースデイカードも贈れなかった


  「私 あなたを ころしちゃってたよ!」


それなら私たち長生きするね 東京に行くから会おうね
約束をした 真実ホッとした 
頭の上の黒雲がさーっと風に吹かれていった


電話を終えて 走って夫の部屋に行った


  「お父さん! 園子ちゃんが生きてたのよ!!!」



夫は 園子ちゃんを知らないが 私の安心を喜んだ 
私の不安の一つが消えたことに「それはよかったな」と言った







                ♪