「月の明るい晩ばかりじゃないぞ」

        

       佐多稲子心の中を風が吹く   ゑぽむ



        

      まだかしら人の気持ちもしらないで  ゑぽむ



 佐多稲子さんの本を読んだ一冊目は「心の中を風が吹く」だった
 実は内容を記憶していない ただ題名に惹かれ読んだ
 それも十代のことだったから理解は不可能だったろう 再読せねば


 犬なのに人気取りが多いらしい
 人なのに犬畜生以下も居る


 悪い言葉を使うのは本意ではないが 
 例えば私は日暮れ時から不安になり夜は苦手で出歩くことはほぼない
「月の明るい晩ばかりじゃないぞ」ということと等しい言い方を
 真昼間にはなんと言い換えるのだろうか
「お気をつけ遊ばせ」かしら 表情で伝えるしかあるまいが
 こんな顔じゃ迫力がまるでない
 

 いや案外 備わってきているかもしれない
 誰に向かって? それは言えない
 それこそ「月の明るい晩だけじゃない」のだから






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