読書の楽しみ邂逅

  
        


 佐高信さんの「魯迅」を読み返しながら
 不思議なこともあるものだと感じ入った
 十代後半から二十代前半に岡部伊都子さんの本をしきりに読んでいた
 いまにも召されてしまいそうなか弱い方の文章が美しいと感じた
 1923年生まれであったというから私より30歳上
 「私には学歴はないのですが病歴はあるのです」
 その言葉をいつ知ったのかもおぼろげだが印象的だ
 佐高氏は彼女を高く評価して尊敬の念をもっているようだ


 そしてわたしの敬愛する「曽野綾子をぶった切る」という本もある
 しかし 岡部伊都子さん、佐高信さん、曽野綾子さん
 皆さん同じく好きである


 かつて「さとうあいこ」さん?という白髪のおかっぱの作家がいらして
 佐高さんの近所に住まいしていて
 彼が空き地で野良猫をしきりに撫でているのをみて
 まるで息子を見るような気持ちになって
 応援の思いをもっていたというエピソードを読んだことを
 印象的に憶えている


 人はいつ誰かに知られ見守られているのかわからない
 その逆もまたあり なんとも不可思議なものだとつくづく思う
 

 人を誹るにはそれなりの覚悟と揺るがぬ自信と教養がいる
 なんと中傷されても言い返し負けにぬ強さがなければならぬ
 そして孤立無援を怖がらぬ強い意志が必要だ
 群れて自己を見失うよりそれは真に精錬だと感じる


 その為にものを知らねばならない 学ばねばならない
 ひたすら体を動かしつつ何も考えない作業に没頭することも必須





 昨夕 嬉しいことがあった
 太郎の妻からのメールだ
「お母さん ちっとも連絡しないで済みません 寒くなりましたね
 お体に気をつけてください。」
 ホッとしてスマホの画面を見つめた
まさよちゃんと太郎の夢を二回みました
 二人はまっすぐ前に向かっていましたよ
 お父さんもお母さんも次郎も誠に強く元気です
 また夢で会いましょうね」
 帰宅して夕餉のおかずに読み上げてサービス
 夫は喜んだ 


 天候は大荒れなれど 心穏やか 






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