白糸の滝と名付けて

実に寒い日だった いつもはポカポカの手が凍える冷たさだった
変だなあ・・・円覚寺付近で電車を降りる
当然杉の木の花粉をたっぷり吸いこむ
近年は軽く過ごせていたのに
なんと! 涙より早く鼻水が地面に落ちてハンカチを用意する間もなく
コートの袖口を利用するという子供時代の目も当てられない恥ずかしさ


帰宅するやティッシュの箱を抱えて移動
それでも間に合わず鼻穴に栓をする
さっぱり薬が効かないほどの花粉の量なのか
私の鼻水は白糸の滝だろうかと笑う


クシャミは絶え間なくくたびれる
「風邪ひいたんじゃないの?」と夫
「違います花粉ですよ!」
弱り目に祟り目 っというほどでもないか
去年はクシャミで済んだ
30代には熱まで出た ましですよ


私の鼻水は白糸の滝と名を借りました
いいでしょう ちょっとお洒落に呼びたいじゃありませんか
春が来た証拠です 次はヒノキ 年中のハウスダスト


鼻腔に噴射する薬も一回鼻をかむと元の黙阿弥
錠剤を呑み過ぎると白血球が減るようだ


「洟をたらした神」という小説があった
住井すゑさん 「花っこ食べっぺ」と菜の花を指した幼子
私はおひたしが大好き 神様の仰るとおりにいたしましょう


あ! 観光はお控え下さいませ みっともないおばさんの洟たらしですから


それにしてもずいぶん楽になっていたのが今年はどうしたのでしょ


まあ 二月は逃げる 三月は去るといいます
季節が過ぎるのを待ちましょう


   ハックション!!! ブーンと洟紙



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