地獄変
ふと空を見ると 真っ黒な雲・・・?・・・ではない!
窓を開けて身を乗り出すと黒煙である
そしてその元には橙色の炎が見えた 火事だ!
たまに散歩に歩く坂道の中腹 時々ボンボンという破裂音もする
プロパンガスボンベかもしれない
山だから消防車が着いたときには手の施しようもないほど燃え盛って
恐ろしい光景 それから目が離せない
坂道の下から上から放水してもなかなか消えない火
延焼もしたように見えた 雨の中の火事
中に人は居ないだろうか 大切な物はないだろうか
不穏な気持ちで見ていたが
ふと芥川龍之介の「地獄変」を思い出したのはいけないことか
炎の中に大切な大切な身を入れて描けと言う殿様
偏屈な絵師との残酷な引き合い
短編は背中に冷たい汗の流れるものだった
それにしても炎は蠱惑的だ 言ってはならぬが そうなのだ
しっかりと「火の用心」をして出かけた
数時間たってまだ放水は続いていた
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・大塚家具・
父上に箪笥ほかして使者来たる ゑぽむ
美にまさるかぐやの姫の気の勝り ゑぽむ
骨肉製飯台椅子は頑丈ね ゑぽむ
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