あり得なくも泣く

実はこのところ本が読めない
いつも即集中できていたものが上の空
本を開いても一つの言葉から別のことが連想されてしまう
私にとっては実にストレス


そして五七五が浮かばない
何か見れば自然に口をついて出ていたのが
ぱったりと止んでしまった


写真を撮ろうという気もおきない
興味が無くなったわけではなく
ぼんやりのろのろで時を逸するという状態


物事を良い方に考えられない
食べ物の味が分からない おいしくない


書き出してみると心が疲れているようだ
疲れて寝込んでいるようだ
それなのに肉体は起きて頑張ろうとしている


こういう不安と闘っても決して勝ち目はない
毎度毎度の連敗しても懲りないでいる
これが病気というものだ


幾度自分をなだめても
なだめきれないもう一人の自分がいる
どこまで続く泥濘ぞ
こうして幾度も数えきれないほど繰り返してきた
終わりにしたいなぁ・・・治りたい


花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ
井伏鱒二さんの訳はすばらしい
元の詩を超えて心にせまってくる (勧酒)


さりとて私は私と別れられない
惜別の歌もうたえない


もう少し我慢してみようか
題は「あり得ない」にしたが
充分にあり得る為し得る我慢と根気


ちょっと辛い 苦しい 泣こう





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