カメラの目
交通事故の映像の多さに目をそむけてしまう
夥しい数の人々が移動し楽しみその途中に暗転する現実
もうそれ以前には戻れない一瞬
カメラの目は非情にもそれをとらえて
報道の波にのせて私たちの日常に痛みと悲しみを届けてくる
何をそんなにと思うのは私だけだろうか
ひしゃげた車体は原型をとどめず解説も説明もいらぬ
幾度もニュースは繰り返す
考えてみれば危険はいつも隣にある
自分は無事ということはないと言い切れる
実は二日ほどアルバムの整理をした
昔のアルバムは写真がねばりつき取れにくいのだが
一枚一枚我が家の歴史 旅の思いで 子等の成長
それらに満ち満ちていて むしろよくも事故もなく
過ごしてきたものだと思いつつ
薄いアルバムに入れ直した
その時々が 空気が 自分らの若さ子等の幼さはそのままに
今に至ることの偶然と幸運といえる
実に実に恵まれた日々であったのだ
人生は今の後 何があるかわからない
そんなことをつくづくと思い知った 連休
そしてカメラの目でたどった家族の日常だった
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