落ち込むという普通

誰でもほんの些細なことで落ち込むことがあるだろう

時計の電池が切れちゃった お昼のパンがおいしくなかった

横綱がセコイ勝ち方をした ずっと昔のいやなことを思い出した

パソコンが私のモノなのに「ようこそ」といってくれる

白髪がふえた 全身老けた 鏡が「あんたよ!」と無言で示す

全部普通のこと 日常だ 災害に遭ったわけではない

一部を除いて解決できるし 気にしなければいいことだ

しかし落ち込む 

次郎が本格的に落ち込んでいるとドクターから電話があった

深いためいきをついてしまった

駆けつけても始まらない 何しろ彼はプロの見守りの中に居る

感情には波がある

それは誰でも 私は特に知っている

同じ状態がずっと続くことはない 必ず変化の時は訪れる

数限りない経験を通して これは救いである

私は弱虫に見えるらしいが実はほんとうに勝気だ

子連れの母熊の強さが老い始めてなおなお健在だ

けっして弱気にならない

これに体力が伴ない続ければ鬼に金棒というところ

心配は筋力の衰え サプリメントじゃ効かないだろうな

毎日歩きながら元気でいたいと思う

普通の落ち込みも 子を思うワンランク重い落ち込みも

えいやえいや!とはらいながら過ごしていきたい

人生誰だって辛いことのオンパレードだ

所々に笑いがはいるに過ぎない

ふと目をやれば花が咲いている

普通に咲いている おおざっぱに雑草と言うくくりにされても

実に小さく端正なつくりで風に吹かれている







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