ちょっと・ショート ③ 畳職人の憂鬱

イトーヨーカドーかサトーココノカドーか
まあ どこでもいいのだけれど ブラブラといつもは行かないスーパーを
歩きまわるのも面白い 目的もなくあちこち眺めながら歩数を稼ぐ
一万歩を越せばよし
          

と そこに 畳屋さんが出張出店しているではないか
様々な畳見本がA4サイズ程になって並べられている
こんなにも畳には種類があったのかと 目からうろこの出会い
          

講道館の畳は通常家庭のものの約4倍近い厚みであり
野球選手がこの畳の上でバッティング練習をしても大丈夫なのだそうだ 足の力に耐えるのだ
それから織り方のいろいろさまざま い草の色のさまざま
見とれて畳屋さんの口舌に聴き惚れた
          

そして濃緑、薄緑、金茶の三色の和紙でできた畳にびっくり見入る
なんでも水をはじき もちろん和紙であるから い草の匂いはしない
したがって猫が爪をとぐことがない 見た目は普通の畳
我が家に最適ではないか お値段もお安めでそれもぴったり
頭に入れて 畳屋さんの名刺も頂き一考することとした
          

さて 一番先に目に飛び込んできた物について記さねばならぬ
それは畳のへり布だった 
本来は日本家屋に合う菱形や亀甲模様と相場が決まっている
当然ではないか それ以外は琉球畳のヘリ無ししかない
          

で である そのものは信じられない物だった
So-netのピンクのクマちゃんはどなたも目にしたことがあるはず 
その色のクマちゃん模様 キキイちゃん(仮名)のネコちゃん模様 
そして足跡ペタペタペタペタ模様
おまけにクマ柄ネコ柄を使ったお財布やらパスケースまで作ってある
なんたる節操のなさ と思っただけに留めておいて
          




「 しかし 畳屋さん これは不本意でしょうねえ 」
       
       つくづく同情して訊ねると

  
     「 はぁ・・・致し方なく 商売でして・・・ 」
               
            (=^・^=)