ちょっと・ショート ⑫ 夢jya


子供の頃からむやみにめったやたらに本を読みつつ成人し
そして老齢期に近づいてくると・・・いや 真っただ中か?・・・
人生が物語なのか事実なのか混同しないまでも作り話にしてみたくなる



誰でももれなく思春期に陥るファミリーロマンスのようなもの
「私にはこの愚かな親ではない立派な両親が居るはずだ」の類であるし
少女小説の中の美しい名前 絵梨香、真理奈、百合亜であり
実はとみ子であるのだ 苗字は田中 結婚したらすこしは
風変わりな苗字になるかと期待していたら「佐藤」に会ってしまい
「佐藤とみ子」じゃこの特徴の無い顔と性格からし
同級生の誰からも忘れ去られてしまう
もしや認知症にでもなったら真っ先に自分の名前を忘れるだろう



そううだそうだ 私は息子を二人産んだのだが
それは夢だったことにしたいのだ
ならばそうしてみよう
出産から子育て あらゆるイザコザが全て夢の中の出来事だった
私は優しい夫と二人暮らしで心豊かに裕福までついている
夫は友人達と度々ゴルフやヨットなどを楽しみ
私は私でアクセサリーの素材をさがして世界中を旅してまわる
やはり独りが好みであるらしい



ある時 夢に二人の男が出てきて「お母さん」と呼ぶ
「はぁ?どちらさまですか?」見憶えの無い男に母と呼ばれる違和感
やっぱりね そうらしい 二人は小声で言っている
とぼけてるのか知らんぷりなのか あり得るよなあ・・・
「キミ達!グレたらボケてやるわよ」って言ってたもんね
お父さんは解ってるんだろうか 気付いてないんじゃないか
慣れてるもんな あんなフリばっかりだったもん


私は夢の中ながら声をかけた
「キミ達 喧嘩してたんじゃなかったの?」 そうそう
夢jya  夢jya 夢degozaru〜〜〜


       

開花です!

                 黒花器10×3                 




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